本物のジャングルで冒険気分
沖縄本島北部の「やんばる国立公園」は多様な生態系が守られ、2021年には世界自然遺産に登録された。その南西に位置する本部半島は美しいビーチをはじめ、来場者数全国トップの「美ら海(ちゅらうみ)水族館」、世界文化遺産「今帰仁城(なきじんぐすく)」が点在する人気観光エリアだ。
その玄関口に新たなランドマーク「ジャングリア沖縄」が7月25日に誕生。ジャングルに飛び込む“興奮”、絶景を独り占めする“贅沢(ぜいたく)”、最高の“解放感”を味わう「パワー・バカンス」がコンセプト。従来の人工的なテーマパークとは一線を画し、原生林を生かしたダイナミックな自然体験が最大の売りだ。

上:エントランスで出迎えるシンボルツリー。沖縄由来の多彩な植物を一本の巨樹に仕立てた 下:敷地に自生していたガジュマルも残る
ジャングリア沖縄は名護市と今帰仁村にまたがる山あいに広がり、60ヘクタールに及ぶ。元はゴルフ場だった敷地は原生林が3割を占め、さらに3万7504本を植栽したことで、自然豊かなリゾートへと生まれ変わった。
入場口から森を抜ければ一気に視界が開け、園内を展望するテラスにたどり着く。見渡す限り緑に包まれたパノラマの中で、目を引くのが巨大な球体「ホライゾン バルーン」。地上200メートルから雄大なジャングルと水平線を一望できる目玉アトラクションだ。

広大なパーク内はトロッコ列車風のバス「タムタム トラム」が周遊。陽気なリズムに乗って移動すれば、南国リゾート気分が盛り上がる

気球に乗って森と水平線を眼下に乾杯すれば、この上ない贅沢な休日に
展望台の左手には、木々の上に首長竜がニョキリと顔をのぞかせる。この一帯は、ジャングルを大型オフロード車で駆けて恐竜探索する「ダイナソー サファリ」のエリアだ。
18頭の恐竜はリアルに動き、水をかけ、襲いかかってくる! 特殊車両の荷台に乗り込み、ダート道を逃げ回るので、体が何度も浮き上がり大声を上げてしまう。国内では類を見ないほどのスリル満点なアトラクションで、最も人気を集めそうだ。

巨大生物の調査隊員となってサファリクルーズ。ブラキオサウルス(上)の股下を通り抜け、ティラノサウルスの襲撃に遭う!
「恐竜には会いたいけれど、怖い乗り物は苦手」という人や、家族連れにお薦めなのが「ファインディング ダイナソーズ」。迷子の赤ちゃん恐竜を探しながら、徒歩でジャングル散策を満喫しよう。
恐竜たちはほえたり動いたりと、まるで生きているかのよう。あまりのリアルさに「本当にロボット?」と案内役に尋ねてしまったが、「いいえ、この森に暮らす恐竜です」とほほ笑む。子どもでも大人でも、タイムスリップ気分を存分に味わえるだろう。

コース上にはつり橋や洞窟、手押しトロッコもあって冒険に浸れる
森と空に飛び込む絶叫アトラクション
「ジャングル エクストリームズ」エリアは、文字通り“大自然に飛び込む”体験が魅力。7階建てビル相当の24.4メートルのタワーを中心に、自由落下の「グラビティドロップ」、280メートルを滑空する「スカイフェニックス」、落下と滑空の両方を組み合わせた「バンジーグライダー」でジャングルの空を舞うことができる。
その他、体が矢のように打ち出される「ヒューマン アロー」、高速で放り投げられるブランコ「タイタンズ スウィング」もある。森へ空へとダイブする快感がやみつきになりそうなエリアだ。
渓谷の上空34メートルに架かるつり橋「スカイエンド トレッキング」も絶叫必至。全長84メートルの橋はぐらぐらと不安定で、渡り切るまでアドレナリンが出っ放しになるだろう。
なお、ジャングリア沖縄はほとんどがオープンエアなので、夏場は強い日差しと突然のスコールに要注意。それもまた南国気分を高揚させる体験、服装と心の準備を忘れずに。

手に汗握るジップライン! 恐怖のあまりナビゲーターにしがみつく挑戦者も
沖縄産グルメ、南国風スパの癒やし体験
スリルと興奮に続いては、贅沢な食事を楽しみたい。全面ガラスの解放感あふれる「パノラマ ダイニング」では、沖縄県産食材をふんだんに使った創作メニューに舌鼓。鳥の巣をイメージしたオープン席もあり、夕焼けや花火など、時間と共に変わる景色を美食と共に味わえる。

上:パノラマダイニング内観 下:外観。中央右手が鳥の巣風のネスト席
アトラクションで興奮冷めやらぬ人は、ジャングリア沖縄に隣接する「スパ ジャングリア」でリラックスしよう。森と空に溶け込むようなインフィニティ風呂、洞窟風呂や温泉、サウナなどが身も心も癒してくれる。高級感あふれるラウンジでは、食事や酒と共にフォレストビューを堪能できる。パークの入場者でなくとも利用可能なので、沖縄北部観光のくつろぎタイムにも最適だ。

左:玄関ホールからシックな雰囲気 右:南国ムードの屋外浴場 下:世界最大級のインフィニティ風呂は解放感抜群!
渋滞の多い高速道路や狭い山道などアクセスに難があり、隣接するホテルがないなど宿泊環境も課題。国や県が交通網の整備に乗り出しているが、当面は那覇空港から所用2時間20分の直行バス(有料・事前予約制)や、送迎付きの提携ホテルが便利だ。
開業早々からすでに予約はいっぱい。ビーチシーズン後も、森林アクティビティという新たな沖縄の魅力を売りにして、大いににぎわいそうだ。

自然のオフロードを疾走する「バギー ボルテージ」。普通免許があれば運転も可能

ヤンバルクイナとシーサーのキャラが森を案内する「やんばるフレンズ」

上:野外レストラン「ワイルドバンケット」 下:フードカートのメニュー

ショップ「ビレッジ バザール」。全550種類の内9割がオリジナルアイテム
営業時間・予約方法など詳細は「ジャングリア沖縄」公式サイトを参照
取材・文・撮影=ニッポンドットコム編集部




